昔、尾崎豊に違和感を感じていた。
周りは熱狂する。涙ぐみさえする。だけど、自分だけどこか冷めている。
竹宮恵子『地球へ…』のクライマックスは、ジョミー・マーキス・シンがマザーコンピュータと対峙する。
ヴォクト『
スラン
』のクライマックスは、ジョミー・クロスがたった一人で敵の本拠地に乗り込む。
レジスタンスというのは全身全霊で生死を賭けて体制側に「否!」ということで、窓ガラスを割ったりバイクを無免許で走らすことではない。そんなのはまったく「甘い」と見えるのだ、SF者にとっては。
右翼団体の構成員が大学の野球部のトレーニングを「甘い」というようなものか。
陰であまあまの恋愛歌を歌っていればなおさらだ。
ロックンロールは宿命的に、発生過程からしても、「反体制」を背負わされている。
最初に出会った和製ロックは矢沢もハウンドドックも恋の歌ばかりで、歌謡曲とどこが違うのかわからなかった。だから、ジミヘンやU2なんかに出会ったときは正直吹っ飛んだ。
LOVE IS BEAUTIFUL。
ベスト盤だとか揶揄されているようだが、こういうアルバムが「あの」GLAYから出るのは皮肉だ。
デビュー当時毒のなさを土屋昌巳に指摘されロックでもポップでもないというグループ名を持つ優等生のバンド。
「100万回のキス」「僕たちの勝敗」「サラギの灯」の社会的な歌詞に毒があるわけではない。体制への批判や反抗ではなく嘆きと希望、文学的なものだ。
尾崎の「シェリー」のように痛く、しかし前向きな「LAYLA」や「I will〜」など、『BELOVED』の頃と比べると一歩引いて恋愛を見られる成長したGLAYが聴ける。
そう、GLAYが成長した恋愛を描けることこそ、いまだにらぶらぶあまあまな日本のロックへのレジスタンスなのではないか。
「LAYLA」のサビ、
汚れたこの手で誰を抱く
あたりにロックは「スタイル」でなく「覚悟」なんだといっているようで、なおさらそんな気がするのだ。
テーマ:GLAY - ジャンル:音楽
- 2008/07/21(月) 04:04:27|
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松田聖子を久しぶりに聴いた。というか、CDやレコードで集中的に聴いたのははじめてかもしれない。
にもかかわらず、シングル曲が大挙して収められているこのベスト盤『BIBLE』のほとんどの曲を歌えそうなのには自分ながら驚いた。
「Only My Love」にはじめて深夜放送を聞いたときのことを、「チェリーブラッサム」「夏の扉」に修学旅行のバスの中を、「赤いスイートピー」に初デートのことを思い出したりする。
アイドルは世代の記憶だ。
30代後半から40代前半のほとんどの人はわたしとおんなじように松田聖子の曲を知っているに違いない。ファンであろうとなかろうと。
シングル曲を時系列に聴いていくと、松田聖子の成長もよく見えてくる。
声の伸びがよくなり深みと艶を増し、表現力がアップしていく。自分の成長と重ね合わせ時を振り返っていく。貴重な時間を過ごした。
しかし91年のこのアルバムには「現在」がない。
機会があれば『BBIBLE II』『BIBLE III』も聴いてみたい。
テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽
- 2007/01/21(日) 19:14:36|
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帯にある「無国籍ヒーリングミュージック」、「ヒーリング」にエンヤのようなケルティックなものを求めるとちょっとイメージが違うかもしれない。
それに一番近い「5. 黎明 〜Aurora〜」でもクールダウンなどできはしない。
志方あきこをはじめて聞いたときは高音が金切り声に聞こえて耳障りだったのを覚えている。「高音」というと耳に心地よい澄んだ歌声という先入観があったためだ。
志方あき子の高音はパワフルだ。ハードロック/メタル系の、たとえば浜田麻里のようなパワフルさではなく、憑かれたような、そう、シャーマニックなパワーだ。それを端的に表しているのが「7. 祈り 〜モンラム〜」。土のにおいと心臓の鼓動を感じさせ、まさに無国籍な祈りである。それは敬虔な祈りではなく挑発のようでさえある。
圧巻は「11. AVE MARIA」。
純クラシック畑の声楽家が歌う「AVE MARIA」が天井から降り注ぐ光だとすれば志方あきこの「AVE MARIA」は地上から天に向かって放たれた炎の矢だ。あくまで足を地につけて謡う。聴いていて震えがきた。
ジャケットの裏面の写真、志方あきこが神殿で手を広げている後ろ姿、このアルバムを象徴するにふさわしい構図だ。
必聴。女房を質に入れてでも聴け。
テーマ:邦楽CDレビュー - ジャンル:音楽
- 2007/01/13(土) 13:04:29|
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カラオケで「リンダリンダ」は歌わない。甲本ヒロト以外の「リンダリンダ」は違うのだ。たとえ自分であっても。
ブルハのアルバムでどれが一番好きかときかれれば、大名盤の『THE BLUE HEARTS』でも『Young And Pretty』でもなく幾分ポピュラーにブレイクした3枚目の『Train-Train』が一番好きだ。
「Train-Train」や「僕の右手」のサビの詩にはやっぱり泣けるし、「ラブレター」のような切ない系も健在だ。
が、前二作にあったパンクっぽさはなりをひそめ、ポップな路線とも取れる内容になっている。ファンにとっては評価の分かれるところだろう。
ブルハといえばその純朴・素朴・真っ正直な詩。「電光石火」なんかが国語の教科書に採用されるような夢想をしてみたりもするのだ。
テーマ:ロック - ジャンル:音楽
- 2006/11/15(水) 14:41:21|
- 粋な懐メロ生活
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地方小都市でも集合住宅において音楽を楽しもうと思ったらヘッドホンは必須だ。
が、あまりン万円をヘッドホンにかけるほどのこだわりはなく(その金でCDを買ったほうがマシ)、適当にいい音で五千円程度ならよし。ソニーやオーディオテクニカの三千円程度のものでお茶を濁していた。
四年間使ったヘッドホンのコードを誤って切ってしまいやむなく買い換えることにした。ふだんならヨドバシカメラにいってテキトーに選ぶのだが今回は下調べをしてみた。
「ヘッドホン どうよ」でググって2ちゃんねるでの風評を調べる。こういうのはマーケッティングのメッセージが入ってこない口コミが一番信用できる。ふむ。AKGのK-55、K-66ってのがよさげだな。
ヨドバシカメラで試聴するとK-66は高音域から低音域までクリアで「ナチュラルサウンド」の惹句にいつわりなく自然な音空間。今までの三千円台のヘッドホンとは明らかに違う。感動ものだ。K-55のほうはK-66に比べると低音が強調されすぎていてうるさい感じ。同価格帯のKOSSやパイオニアなども聴いてみたがK-66ほどのクリアさはなかった。
結局K-66を少し予算オーバーなのだが買って帰り、満足している。
ただ正直言ってデザイン、よくないです。シンプルといえばシンプルだが、なんとなく「ちゃちい」。
こうしてみると結構メーカーによって違うものだなと納得した。これ以上の世界があることもわかったが身の丈を考えますよ。はい。
テーマ:音楽のある生活 - ジャンル:音楽
- 2006/11/09(木) 20:00:16|
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アニソンやゲームミュージックはそのジャンルに属するというだけで評価が低くなる。声優ユニットとなればイロモノとしての評価しかされない。
メッセージが明確でわかりやすい。
ドラマチックでキャッチー。
ポップスとして明らかにハイレベルなアルバム。
声優は通常歌手以上のボイストレーニングを受ける。歌唱力が高くてもなんの不思議もないが極上のハーモニーを聞かせてくれる。
ゲームやアニメのタイアップ曲ばかりだがオリジナルも聞いてみたいと思わせることうけあいだ。
主題歌としての役割があるため音が分厚いのだが、それに負けないハーモニー。澄んでいて、しかしパンチがある。ケルティックなクールでもなくメタルなシャウトでもない。あくまでニュートラル。何色でもない王道のナチュラルさにかえって癒やされる。聴いたあと元気になれる。
ちなみに「AQUA〜遙かなるブルー〜」と「Can you feel crying alone?」「シロキカギロヒ」、「旅光年空へ」がオススメ。「旅光年空へ」以外はゲームのOPかEDだ。
落ち込みがちなときMP3プレーヤーで聞くとよく効くような、そんなアルバムだ。
テーマ:気になるアーティスト - ジャンル:音楽
- 2006/10/28(土) 23:28:32|
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本棚の成分でその人の性格が判断できるといったのは筒井康隆だったか水玉蛍之丞だったか。
音楽に置き換えればCDラックなのだろうがiPodにすべて押し込んでる身としてはiTunesMusicがそれにあたる。
iTunesMusicの成分を分析してブログに公開しようというveena!というサービスが今月の4日から始まっている。あくまでiTunesMusicの中の曲数の比率でアーチストの順位を決めているので、短い曲がたくさん入っているサントラが上位になったり、演奏者がアーチスト扱いされるクラシックなどは順位に反映されにくいようだ。「Top25」から表示したほうが実情に近いかもしれない。また曲の増減がない限りコンテンツの更新がなされない。
もうひとつ、「Last.fm」というサービスもある。iTunesまたはWindowsMediaPlayerの再生記録から最近聴いた曲や週間ランキングなどを公開してくれるサービスだ。ほぼリアルタイムに更新され、成分分析よりおもしろいかもしれない。
veena!
http://www.veena.jp/Last.fm
http://jp.last.fm/テーマ:お気に入りの曲♪ - ジャンル:音楽
- 2006/10/23(月) 18:36:29|
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自宅から歩いて10分のところに図書館がある。
数年来通っているのに先日はじめてAVコーナーに足を踏み入れてその品揃えに驚いた。
最新のヒット曲が並んでいるわけではないが、レンタルCD屋の棚からはとっくの昔にはけた、20年前のアルバムなどが所狭しと陳列されている。
エニグマだ、ジャーニーだ、柳ジョージだ。
ベスト盤が多いのは資料的価値を重視しているからか。落語や効果音など一般のショップでは冷遇されているものも数がありさすが図書館だ。しかも当然レンタル料などはとられない。天国のようなところだ。
なつかしい曲をふと聴きたくなったとき図書館のAVコーナーを訪ねてみるといい。マジオススメ。
- 2006/10/22(日) 15:46:02|
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