ロバート・F・ヤング。
「叙情派」SFなるカテゴリがあるかどうかはわからないが、SFの北の方、ファンタジー寄りの文脈ではジャック・フィニィと並んで評されることの多い作家だ。
昨今のハード寄りのSFに慣れた向きにはセンスもワンダーもあったもんじゃないだろうが、科学はひとつの手段に過ぎず、日常から離れた状況での人間のありようを描く、という文学としてのSFを了解している向きには受け入れられるだろう。
RPGのような世界の危機も、認識を根底から覆すようなテーゼもなく、たとえば昔話を聞いているような静かな優しさが漂う。
「いかなる海の祠に」の中で、店先にディスプレイされている巨大な靴をプレゼントするエピソードはそれを如実に示しているものだ。
テレビドラマやゲームの紋切り型ストーリー展開に飽きたらぜひ手にとって欲しい。
惜しむらくは復刊して川原由美子の美しい表紙じゃなくなったこと。
かの有名な「たんぽぽ娘」はまだ読む機会に恵まれない。集英社さん、復刊をお願いします。
テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌
- 2006/11/04(土) 20:49:08|
- Text Holic
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